Vol.1温湿布と冷湿布のふしぎ
はじめまして、薬剤師のみわと申します。今回から、ふしぎな縁で、コラムを連載させていただくことになりました。薬に関する疑問やマメ知識、そう「薬のふしぎ」について書いていきたいと思っています。
皆様どうぞよろしくお願いします。
ふしぎ指圧に来られる方の中には、体の痛みを和らげるために湿布薬を使っている方も多いと思います。今日は湿布薬の中でも良く耳にする、「温湿布と「冷湿布のふしぎについてお話しましょう。
温めていないし冷やしていない?
実は、温湿布といってもカイロのように温めるものではありません。冷湿布も氷のように冷たいものではありません。そんな風に言うと、この表記は偽装だ!偽装だ!なんておっしゃられる方もいるかもしれませんが、偽装ではございません。
これは言わば、感覚による分類になっているのです。
温湿布にはトウガラシの成分などが含まれており、それにより患部の血行が良くなり温かく感じるのです。また冷湿布にはメントールやカンフルなど清涼感を感じる局所刺激成分などが含まれており、それにより患部が冷たく感じるのです。
温・冷湿布の使い分けは?
例えば、慢性腰痛や筋肉痛など、患部を温めると気持ちよく感じる症状があります。そういった場合には、入浴後体を温めてから温湿布をすると効果的です。ただし入浴後直ぐに貼ってしまうとかぶれる原因になるため、最低でも30分前後は間隔を開けた方が良いとされています。
しかし、打撲や捻挫など患部に熱を持っている急性の症状は、温湿布を使用してしまうとさらに熱を持ち辛く感じてしまうものがあります。熱を持っている場合には、アイスノンや氷嚢で冷やしてから冷湿布を使用したり、冷蔵庫で保存していた冷湿布を使用すると心地よく感じることが出来ます。
実際は?
ここまで書いてきましたが、実は適応の違いはハッキリとは決まっていません。湿布薬は自身が「気持ちいい」と感じたものを使うのが一番です。夏場は冷湿布・冬場は温湿布という使い分けをする方や、ワシャこの湿布が一番合うのじゃ~と症状によらず同じ湿布を使い続けている方もいらっしゃいます。
痛みが和らぐという感覚は使った本人が一番分かります。お使いになられる際は、上記を考慮しながら自分に合う湿布を探してみましょう。
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