『子育てでカラダが限界なんですがどうすればいいですか?』を作りました
子育てしている方むけに体の疲労をケアする本を作りました。『子育てでカラダが限界なんですがどうすればいいですか(育児の疲れスッキリBOOK)』
本を作ったきっかけ、本作りたいへんだった、早くも意外と反応いいぞ、みたいなところを書かせてください。
なぜこの本を作ったのか
ふしぎ指圧にはよく「子育て中の女性」がいらっしゃいます。その中でよく聞かれるのが「子育てで疲れない方法はありませんか?」ということ。
子育てをしたこともない僕にそんなことを聞かれても……と最初は思っていました。ところが、みなさん意外と「無理なく身体を動かす原理」を知らないのです。
例えば「重たい物を持つときの原理」を知っていれば「赤ちゃんをラクに抱ける方法」につながります。
「下にある物に力を加えるときの原理」を知っていれば「床にある子どものおもちゃをラクに拾う方法」や「子どもが床を汚したときのラクな拭き方」につながります。
こうして、体の動かし方の原理的なところをお伝えしながら、子育てしている人と一緒にその場で「子育てで疲れにくい動き」を探してゆきました。
この様子はweb記事になり(今はサイト閉鎖で見ることができません)、その記事を覚えていてくれた編集者の方が「ああいうメソッドを集めて本にしませんか」と声を掛けてくれたのです。
育児の現場を取材する日々
本にするとなったら、子育ての現場をもっとよく知らなくてはいけません。まずは子育てでどういうことがつらいかのアンケートをとってみました。ツイッターで募集したところあっという間に数百のアンケート結果が集まりました。
さらに何人かの子育てをしている友達に「育児の現場」を見せてもらいにまわりました。たとえば半日ほど家にお邪魔して、家の中で子どもと遊んだり、一緒に外出をしたりをさせてもらいました。
(ちなみにこのときの所感を個人ブログに記録しています。子どもの世話を見た-ふしぎブログ)
現場を見ているとメソッドも出てきます。この時点でようやく本としてまとまるような気がしてきました。実は編集者に声を掛けてもらった段階では「本にするほど集まるのかな」と思っていたのです。
ラフの反応
メソッドをまとめて、ラフの形にします。この段階で子育てをしている人たちに見てもらったところ、なかなか興味深い反応をいただきました。人によってぜんぜん違うのです。
同じメソッドに対して
「すごい! こういう状況は子育てで見逃されがちだけど本当によくある。本当に子育てをよく取材したんですね」
という人もいるし
「子育てをしていて、こんなことで疲れたりしないですよ。このメソッドは削除しても良いんじゃないかなあ」
なんて人もいます。本当に人それぞれのようです。
この時点で「ひょっとしたら使わないかもしれないメソッドでも、極力本には載せていこう」という方針が生まれました。
そんな経緯があるので、この本を買った人も自分の悩みにあうところだけを拾って読んでもらえたらと思います。
イラストレーター探し
イラストを誰に描いてもらうかはものすごく悩みました。編集者と1か月くらい、あーでもないこーでもない、と議論をメールでやりとりしていたと思います。
決まっていたのは
「子育てを女性だけの物を決めつけたくないので、あまり女性っぽいイラストにしたくない」
「ストレッチなどが入るのである程度人体の特徴を正確に描いてあるといい」
「でもかわいい雰囲気のイラストがいいよね」
ということ。
そんな中、僕が連載しているwebメディア「デイリーポータルZ」で以前から面識のあったクリハラタカシさんはどうだろう? というアイディアがあがってきました。
クリハラさんのイラストは何度も見ていたのに、灯台もと暗しとはこのことか。さっきの条件全部満たしているじゃないか。
でも僕の本のイラストの仕事を果たしてやってくれるのか? クリハラさんの『冬のUFO・夏の怪獣』というマンガがあるのですが、もう、ものすごくおもしろいんですよね。クリハラさんはこういう独自の世界を作ってく人なんじゃないのか……。
おそるおそるフェイスブックのメッセージで依頼をしてみたところ、引き受けていただけることになりました。このとき僕はイスからジャンプしましたよね。
ちなみに自分でもときどきイラストは描いているのですが、僕がイラストも描くということは、最初から思いつきもしませんでした。
施術を休んで制作
ここから2か月ほど家の中にこもり気味になって、作業をしていました。偶然もう一冊の本「伸ばすだけで効く!ツボストレッチ」の本の監修と完全に制作期間が被っていまして、ずっと本の作業ばかりしていました。
その間、自分の「ふしぎ指圧」の営業は休みがちに……。重要なのは臨床なのに……。これはよくなかったと反省しております……。
うれしい反応
ゲラ(本の下書きのようなもの)ができた段階で、子育てしている方に見てもらいました。その中でぬいぐるみ作家の「せこなお」さんから、ちょっと想像していなかったうれしい反応をいただきました。
「電車の中で読んでて、こんなにお母さんがいたわれ続けることなかなかないので感激しております。 苦労するもんだ、それは仕方ない。それより子供のことをかんがえてーって風なのがやっぱり多いので、自分の体をいたわることがメインの本てやっぱり新鮮」
子育ての取材で動きのかなり細かいところまで僕は見ていました。その観察が「いたわってもらっている」と受け止められたようです。ある意味、こういう視点からの本を読むこと自体が「癒やし」につながるのかもしれません。
中身こんな感じです
で、こんな感じになりました。わかりやすくて、かわいくて、癒やされる、いい本になったのではないかと思います。
すでにいろいろと反応いただいています
書名とかんたんな紹介をツイッターに投稿した時点でたくさんの反応いただきました。
斎藤さんの近刊、子供が小さかったころ知りたかったことばかりだ…
・抱っこひもで肩が疲れきったとき
・チャイルドシートに子どもを乗せるときは
・子どもを持ち上げて腰痛がキツいときに
…子育てでカラダが限界なんですがどうすればいいですか? 育児の疲れスッキリBOOK https://t.co/qsOD7k9JwI
— 井上マサキ(INO) (@inomsk) 2018年4月23日
ああっ! 出産直後の1年前にほしかった! でも今でもほしい! https://t.co/jijjhWvDzL
— たろいも (@na_eviimotaro) 2018年4月23日
抱っこする時に肘を体に引きつけるってのを分かっていれば、腱鞘炎を予防できたのではないかと悔やんでいるのだよ…
— たろいも (@na_eviimotaro) 2018年4月23日
斉藤さんの育児中の父母のセルフケア本「子育てでカラダが限界なんですがどうすればいいですか?」に取材協力させていただきました。そうそうあるあると皆頷く子育ての場面に細かく対応した痒いところに手が届く本。子供のことばかりになりがちだけど親も体が資本! 労ろう〜 https://t.co/hoLE1VXwaR
— せこなお (@sekonao) 2018年4月26日
ぜひぜひ見てください
ネット書店や本屋さんで買うことができます。ぜひ見ていただけたらと思います。押しつけがましくない本なので、友達の出産プレゼントにもありかもしれません。
『子育てでカラダが限界なんですがどうすればいいですか?育児の疲れスッキリBOOK』(青月社)
斎藤充博
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