Vol.5 副作用のふしぎ
薬剤師のみわです。今日は副作用のふしぎについてお話したいと思います。
皆様は「副作用」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか?薬を飲んで、眠くなってしまった。なんだか調子が悪い。皆様が「副作用」から受けるイメージは、マイナスのものかもしれません。
副作用とは?
薬が体に作用する上では、副作用は必ず存在します。例えば一つの症状があったとして、それを改善する目的の主作用以外は、すべて副作用ということになるのです。
いつもマイナスイメージで見られて陽の目を見ないように思われがちな副作用ですが、この作用を上手く利用した薬も、実は存在するのです。
ドリエル
エスエス製薬から発売された睡眠改善薬で、ジフェンヒドラミンを主成分としています。元々は抗アレルギー剤としてかゆみや鼻炎などを抑える目的で使用されていましたが、副作用の眠気があるため注意が必要とされてきました。その眠気の副作用を逆に使ったのがこのドリエルです。
プロペシア
男性型脱毛症、いわゆるハゲの進行を抑制する薬です。フィナステリドを主成分としています。元々は前立腺肥大の治療薬としてアメリカで認可された薬だったのですが、その認可の途中で育毛効果があることが判明し育毛剤として研究されたのでした。
バイアグラ
誰もが知ってる、そう、勃起改善薬ですね。シルデナフィルを主成分とする薬ですが、元々は狭心症の治療薬として開発されたものなのです。これも、認可の途中で勃起を促す効果があることが判明し研究されたのでした。今ではED治療薬の中でも50%以上のシェアを持つというのですから、何があるのか分かりませんね。
副作用は捉え方次第
いやあ、こうやって見ていくだけでも、副作用から様々な薬が作られてきたのですね。
この話、私的に大変興味深いと思っています。結局のところ副作用とは捉え方とも言えるでしょう。
プラスなのかマイナスなのか、善なのか悪なのかは、それを必要とするかしないかで決まるのです。人生観のようなものを勝手に感じてしまいますね。
これからも、発想の転換でまだ知らぬ副作用からトンデモナイ薬が出来るのでしょう。そんな日を楽しみにしながら、今日の話はおしまい。
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